円形脱毛症
円形脱毛症について、AGA(男性型脱毛症)など他の脱毛症との比較を交えながら説明していきます。
円形脱毛症の主な症状
円形脱毛症は10円ハゲに代表されるように、まるい形に髪の毛がとつぜん抜けてしまう病気です。何年もかけてゆっくり進んでいく「うす毛」とは違い、数日の間に髪の毛が抜けることが特徴です。
毛が抜けた部分(脱毛斑)は通常10円玉くらいの大きさで始まりますが、症状によっては頭部全体に広がったり、まゆ毛やまつ毛、体の毛にまで及んだりすることもあります。毛が抜けた部分を観察すると、先が太くて根元が細い毛(「!」の形に似ている毛)や黒い点々が見られることがあります。
※AGAとの違い
AGA(男性型脱毛症)では、頭部全体で徐々に毛が薄くなっていきますが、円形脱毛症では脱毛部と周囲との境目がはっきりしています。また、AGAは主に大人の男性に見られますが、円形脱毛症は男女問わず、子どもから大人まで発症する可能性があります。
円形脱毛症の進行速度は非常に速く、2~3日の間で毛が抜ける症状が進みます。一方、AGAは数年単位の長い年月をかけてゆっくりと進行していきます。
円形脱毛症の種類
円形脱毛症は、症状の程度や範囲によって以下のように分類されます。
①単発型
1つか2つの脱毛斑ができる最も一般的なタイプ
②多発型
複数の脱毛斑ができるタイプ
③びまん型
頭皮全体から少しずつ抜けるタイプ
④全頭型
頭部全体の髪の毛が抜けるタイプ
⑤汎発型
頭部だけでなく、眉毛、まつ毛、体毛なども抜けるタイプ
重度の場合、ひげ・すね毛・陰毛などのあらゆる毛が抜けることもあります。

診断方法
円形脱毛症の診断は主に以下の方法で行われます。
①視診:医師が毛が抜けた部分を目で見て確認します。
②問診:症状の経過や生活習慣、ストレスがないかを確認します。
円形脱毛症の特徴的な症状には以下のようなものがあります。
- 突然の脱毛開始
- 頭部に地肌が見える部分がある
- 爪に小さなでこぼこがある
- アトピー性疾患を患っている
- 脱毛斑が円形または楕円形で、境界がはっきりしている
- 脱毛斑の周囲の毛を引っ張ると簡単に抜け、痛みもほとんどない
- 抜けた髪の毛の毛根部分が細く尖っている
当院で行なっている治療
当院では、以下の方法で円形脱毛症の治療を行なっています。
①ステロイド外用薬
炎症を抑える薬を毛が抜けた部分に塗ります。
②ステロイド局所注射
脱毛部位に直接ステロイドを注射します。
円形脱毛症は、免疫が誤って自分の細胞を攻撃してしまうことが原因と考えられています。免疫機能による攻撃が抑えられれば、元通りの髪の毛が生えてくる可能性があります。
治療の流れ
円形脱毛症の治療にかかる期間は個人差が大きく、症状の程度によっても違いがあります。
円形脱毛症はほとんどの場合自然に治っていきます。しかし、元通りに毛が生えてくるまでには数か月から1年以上かかることもあります。また、一度治っても再発することがあるため、長期的な経過観察が必要です。
軽症の場合は3~6か月程度で良くなってくることが多いですが、重症の場合はさらに長期の治療が必要になることがあります。
脱毛症でお悩みの方へ
円形脱毛症は、突然まるい形に髪の毛が抜ける自己免疫疾患です。AGAとは発症の仕方、進行速度、原因が異なります。円形脱毛症は適切な治療を行えば改善する可能性が高いですが、再発のリスクもあるため、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。
円形脱毛症の症状に気づいたら、まず皮膚科などの専門医療機関を受診して相談しましょう。
円形脱毛症は決して珍しい病気ではありません。症状に悩んでいる人も多いですが、適切な治療と心のケアを受けることで、多くの場合改善が期待できます。不安や心配があれば、ためらわずに医療機関に相談することをおすすめします。